夜間の介護施設。スタッフの数が限られる中で起きる「利用者の急変」は、介護職にとって最も緊張する瞬間のひとつです。
私が夜勤に入っていたある夜中、巡視中に利用者様がベッドの上で意識を失い、心肺停止状態になっているのを発見しました。
頭が真っ白になりかけましたが、以前受けた「心肺停止の対応研修」のフローが身体に染み付いていました。急変時には「誰が何をするか」という役割分担と連携が命運を分けます。
【発見者】の私が行ったこと
まず大声で他のフロアの応援を呼び、応援者が到着するまでの間、即座に心臓マッサージ(胸骨圧迫)を開始しました。絶対にその場を離れず、蘇生を試みることが発見者の最優先事項です。
応援のスタッフ(夜勤者)が駆けつけてくれたので、心臓マッサージを交代してもらい、私は利用者のケース(カルテ)を手元に持ってきて、119番通報を行いました。「施設名、住所、電話番号、そして利用者の名前・年齢・性別・意識状態」を的確に伝達しました。
【応援者】と【事務当直者】の連携
応援に駆けつけたスタッフは、AEDとアンビューバッグを持参してくれました。発見者に代わり、AEDの音声案内に従って冷静に操作し、蘇生を継続します。
同時に、事務当直者へ連絡。事務当直者は救急隊員に状態を正確に伝えられるよう情報を整理し、救急車の受け入れ準備をしてくれます。さらに、保険証や携帯電話を準備し、到着した救急隊を該当フロアまでスムーズに誘導する非常に重要な役割を担います。
救急車到着後の流れ
ご家族への連絡はファイル記載の連絡先へ行い、状況と救急要請した旨を伝えます。救急車が到着したら、事務職員から保険証などを受け取り、発見者である私が救急車に同乗して付き添いました。
搬送先が決まった時点で再度ご家族に連絡し、病院で諸手続きを終えた後に事務当直者に迎えに来てもらう、という一連の流れを無事に完了することができました。
この経験から、心肺停止という極限状態においては「発見者」「応援者」「事務当直者」それぞれの明確な動きのルール化と、日頃のシミュレーション研修がいかに重要かを痛感しました。