2026年度・労働基準アップデート
「旧時代の管理」は即、違法判定へ
1. 育児・介護休業法の劇的進化:残業免除の「壁」崩壊
① 「小学校就学前」までの残業免除義務化
これまで「3歳まで」だった残業免除の権利が、一気に「小学校入学前(6歳)」まで拡大されました。これは介護現場にとって激震です。
早番・日勤・遅番の交代制が基本の現場で、遅番後の残業を「子供が5歳だから大丈夫だろう」と命令した時点でアウト。本人が申請すれば、会社は1分たりとも所定外労働をさせてはいけません。
② 「子の看護休暇」が「家族共育休暇」へ進化
休暇取得理由が大幅に緩和され、子の行事(入園式・卒園式)や、病気だけでなく予防接種なども対象になります。また、対象が「小学校3年生」まで引き上げられました。
不利益取扱いの禁止: 休暇を取ったことを理由に、評価を下げたり、ボーナスを減額したりすることは厳格に禁止されています。
2. 労働基準法「休息時間」の厳格化(インターバル規制の波)
勤務間インターバル導入への圧力
2026年には、勤務終了から翌日の勤務開始までに一定時間の休息を設ける「勤務間インターバル制度」が、事実上の強制力を持ち始めています。
- 「遅番(22時終了)」の翌日に「早番(7時開始)」を組む。
- インターバルが11時間(最低でも9時間)空いていないシフト表。
休息不足による事故が発生した場合、安全配慮義務違反として巨額の賠償リスクが発生します。
3. 柔軟な働き方の「提示義務」:選べない職場はアウト
個別の意向聴取が義務に
2026年からは、3歳以降の子を持つスタッフに対し、企業側から「短時間勤務」「時差出勤」「テレワーク(事務等)」などの選択肢を提示し、希望を聞くことが義務づけられました。
「うちは介護現場だからテレワークなんて無理、一律に日勤だけ」という一蹴は許されません。個々の状況に合わせた代替案を提示できない場合、体制整備不足とみなされます。
4. 「名ばかり休憩」へのメス:コール待機は労働時間
休憩時間の「完全自由利用」
人手不足の現場で常態化している「休憩中のナースコール対応」「食事中の電話対応」。2026年の労働基準監督署の重点調査項目はここです。
休憩中にPHSやコール機を持たせているだけで、その時間は「全額給与支払い対象」となります。もし1時間の休憩中に5回対応したなら、その時間は休憩を与えていないことになり、別途休憩を与えるか、残業代を払わなければなりません。
5. 「副業」合算管理と企業の責任
自己申告を「放置」できない責任
スタッフが他施設でダブルワークをしている場合、両方の時間を足して「週40時間、1日8時間」を超えた分は、原則として後から契約した会社が割増賃金を支払う必要があります。
副業を許可しているが、労働時間を把握していない。その結果、合算で月100時間を超える残業(過労死ライン)になっていた場合、自社が責任を問われます。