🦠 疥癬(かいせん)完全攻略ガイド
通常型・角化型の症状、感染経路、施設での厳重対策
特に角化型疥癬(ノルウェー疥癬)は通常の100〜1000倍ものダニが寄生するため、介護士は両者の違いと、予防・対応策を正確に把握しておく必要があります。
記事の要点と対応ステップ
1. 症状の違い:通常型と角化型の見分け方
ダニの数と症状の出方に決定的な違いがあります。特に「かゆみがない」角化型こそ要注意です。
2. 感染経路:なぜ施設でこれほど広がるのか?
疥癬の感染経路は「接触」がすべてです。しかし、通常型と角化型ではその「濃さ」が異なります。
① 直接接触(人から人へ)
利用者様との長時間の肌の触れ合い、握手、介助時の密着などで感染します。特に角化型は、数秒の握手だけでも感染するほど強力です。
② 間接接触(物を介して)
寝具、タオル、衣類、車椅子のクッションなどを介して感染します。角化型疥癬の場合、剥がれ落ちた「フケ(角質)」の中に大量のダニが生きており、それが床や椅子に落ち、別の人が触れることで爆発的に広がります。
3. 予防策:PPE(防護具)の着用と環境整備
防護具(PPE)の使い分け
環境整備:熱と乾燥が最大の武器
⚠️ 消毒薬よりも「熱」が効く!
- 洗濯:衣類・寝具は他のものと分け、50℃以上の熱湯に10分以上浸してから洗う。
- 乾燥:業務用乾燥機での高温乾燥(20〜30分以上)は極めて有効。
- 清掃(角化型):ダニは環境中で3日ほど生存します。居室の床、椅子、車椅子、壁、カーテンを毎日掃除機で吸い取り、フケを完全に除去する。
- 洗えない物:ビニール袋に密閉し、2週間放置(ダニを餓死させる)。
4. 対応フロー:疥癬(疑い)発生時の具体的対処法
夜間のかゆみやカサカサした角質を発見したら、直ちに皮膚科医へ。「ただの乾燥」と放置しない。
診断確定後、個室へ隔離。ケア時はPPEを完全着用。汚染エリアと清潔エリアを明確に分ける。
感染者と同じユニットの利用者、担当職員全員を同時に治療。一人でも治療が遅れると再感染(ピンポン感染)が発生する。
リネン類は毎日交換・熱処理。角化型の場合は、床や家具の掃除機がけを通常の数倍丁寧に行う。
医師が「治癒」と判断するまで対策を継続。治療後もかゆみが残ることがあるため、皮膚症状を慎重に見守る。
✅ 結論:疥癬対策は「早めの疑い」と「一斉の行動」
✔ 夜間の強いかゆみを「ただの乾燥」と安易に判断しない。
✔ ケア時の手袋着用を徹底し、感染経路を物理的に遮断する。
✔ 環境の消毒は「熱(50℃・10分)」と「掃除機」が中心。
✔ 感染者と接触者全員の同時治療が最大の防御策。
利用者様の皮膚の異変を見逃さない観察眼こそが、
施設を守るプロの介護士の力です。