【認知症:症状02】
拒絶を信頼に変えるアプローチの極意
入浴や排泄介助での「嫌だ!」という強い拒絶。それはNOという意思表示以上に、「何をされるか分からない恐怖」や「自尊心の防衛」である場合がほとんどです。拒む心を解きほぐす視点を学びましょう。
1. 「拒絶」が起きる3つの心理
① 羞恥心とプライドの保護
大人として生きてきた方にとって、年下からの「おむつを替えますよ」は耐え難い屈辱になることがあります。
【対応の鍵】
「介助」ではなく「身だしなみを整えるお手伝い」という姿勢で接し、一人の大人として敬意を持った言葉選びを徹底します。
② 状況が理解できない恐怖
「なぜ服を脱ぐのか」が分からず、突然襲われたように感じてパニックが起きます。
【対応の鍵】
いきなり触れず、まずは視界に入り「笑顔で挨拶」から。次に行う動作を一動作ずつ丁寧に伝え、納得を得てから動きます。
③ 身体的な不快・痛み
お湯が熱かった、手が冷たかったといった過去の記憶が、「あの人は痛いことをする」という拒絶に繋がります。
【対応の鍵】
触れるときは「広く、温かい手のひら」で包み込むように。相手の呼吸に合わせてゆっくり動くことが安心感を生みます。
2. 拒絶された時の「プロの引き際」
無理強いは介護抵抗を固定化させます。以下のステップを試してください。
- 一度「撤退」する: 「失礼しました」と一度その場を離れ、15分ほど置くと気分が切り替わることが多いです。
- 「人」を変える: スタッフとの相性もあるため、交代することで驚くほどあっさり解決することもあります。
- 「タイミング」を合わせる: 本人のかつての生活習慣に合わせてスケジュールを微調整します。
3. チームで共有する「魔法のフレーズ」
- ×「お風呂に入りましょう」
→ ○「いい湯加減なので、さっぱりしませんか?」 - ×「おむつを替えますよ」
→ ○「お召し物を新しくして、気持ちよくしましょうか」 - ×「ダメです!」
→ ○「〇〇様のことが心配なので、こうさせていただけませんか?」
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