【認知症:症状04】
不潔行為(弄便)への向き合い方
おむつの中に手を入れて便を触ってしまう「弄便」。発見時のショックは大きいものですが、これは決して嫌がらせではありません。「何か困ったことが起きている」という本人からのサインです。
1. 弄便が起きてしまう「3つの原因」
① 便失禁による「強い不快感」
ムレや痒み、違和感。「呼び出しボタン」が使えない方が、自分で何とかしようとして手を伸ばした結果です。
② 便秘による「残便感・腹痛」
「出そうで出ない」苦しさを解消しようとして、肛門付近を刺激したり掻き出そうとしたりする行動です。
③ 認識の誤り(失認)
目の前にあるものが便であると認識できず、好奇心や何か別のものと勘違いして扱ってしまうことがあります。
2. 現場で見直すべき「5つの対策」
- 【排便コントロール】 便秘にならないよう水分や下剤を調整し、「出し切る」リズムを整えます。
- 【おむつの見直し】 サイズは合っているか、パッドがゴワゴワしていないかを確認します。
- 【タイミングの把握】 起きやすい時間を特定し、その直前にトイレ誘導や清拭を行います。
- 【手元の代替】 手が寂しくならないよう、触り心地の良いタオルなどを手渡します。
- 【冷静な後始末】 叱らずに「気持ち悪かったですね、綺麗にしましょう」と淡々と介助します。
3. 自尊心を守るために
どうしても止まらない場合、「つなぎ服」を検討することがありますが、これは最終手段です。
- 身体拘束の側面: 自由に服を脱げないことは身体拘束の一つとみなされます。
- 安易に頼らない: まずは排便状況の改善を優先し、チームで倫理的な検討を行うことが不可欠です。
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