【認知症:基礎】BPSD対応術
行動を「心の叫び」として読み解く
認知症のBPSD(行動・心理症状)は、単なる「困った行動」ではありません。それは、言葉で伝えられない本人が発する「満たされないニーズ(要求)」です。タイプ別の特性から、そのサインを解読しましょう。
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タイプから原因を絞り込む
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直前の「欠乏」をチェックする
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行動をメッセージに転換する
1. 認知症タイプ別:現れやすいサイン
① アルツハイマー型(不安と混乱)
【特徴】 記憶障害による「ここがどこか分からない」不安が中心。
【主なBPSD】 物盗られ妄想、夕暮れ時の徘徊、強い拒否。
【ケア】 否定せず、本人の「馴染みの役割」を依頼して安心感を作る。
② レビー小体型(幻視と変動)
【特徴】 意識の鮮明さに波があり、リアルな「幻視」が見える。
【主なBPSD】 幻視への恐怖、日中の強い傾眠、抑うつ。
【ケア】 幻視を否定せず共感し、明るい場所へ誘導。転倒防止も必須。
③ 血管性(感情のブレーキ不足)
【特徴】 意欲低下や感情失禁(急に泣く・怒る)が見られる。
【主なBPSD】 些細なことでの激昂、強い抑うつ状態。
【ケア】 感情の波に巻き込まれず、静かな環境でゆっくり共感する。
2. BPSD発生時の「即効チェックリスト」
行動が起きたら、まず以下の3つを疑ってください。
- 身体の不快: 便秘、排尿痛、空腹、脱水、発熱、靴の窮屈さはないか?
- 環境の刺激: テレビの音がうるさい、照明が眩しい、室温が暑すぎないか?
- 心の孤独: 放置されている不安、役割がない虚しさを感じていないか?
3. 要求への読み替え実践
「財布を盗られた!」(妄想)
心の叫び:「自分の居場所がなくて不安。誰か助けて」
✅ 対応:一緒に探し、「見つかるまでお茶を飲みましょう」と役割を依頼。
「あそこに誰かいる!」(幻視)
心の叫び:「怖いものが見える。この恐怖を分かってほしい」
✅ 対応:「それは怖いですね。私が付いていますから大丈夫ですよ」と安心を優先。