【食事介助】首下がりがある方へ
誤嚥を防ぐ姿勢調整とプロの技
パーキンソン症候群や筋力低下により頭が前屈する「首下がり」。無理に顔を上げさせるのではなく、「下を向いたまま安全に飲み込める環境」を作ることが、誤嚥を防ぐ最大のポイントです。
1. 姿勢の調整:重力を味方につける
① リクライニングの微調整(30度〜60度)
椅子やベッドを少し倒し、重力で頭が自然に背もたれに預けられる角度を探します。あごを引きすぎず、首の前に少し余裕がある状態が理想です。
② 足底接地と隙間の埋め込み
- 足を床につける: 体幹が安定し、首の過度な前屈を抑えられます。
- クッションの活用: 首の後ろや肩甲骨の隙間を埋め、頭が左右にグラつかないよう安定させます。
2. 介助のコツ:視線とスプーンの角度
③ 介助者は「斜め下」から覗き込む
介助者が高い位置にいると、利用者様は上を向こうとして「あご」が上がり、気道が開いて誤嚥しやすくなります。介助者は座って、利用者様の視界(膝元付近)から覗き込むようにスプーンを運びます。
④ スプーンの入れ方と一口量
- 水平に差し出す: 上唇で食べ物を取り込むのを待ち、喉の奥へ流し込むのは厳禁です。
- 一口は少なめに: ティースプーン半分程度から始め、しっかり「ごっくん」を確認してから次の一口へ。
⚠️ 絶対にやってはいけないNG行動
- 上を向かせて飲ませる: 気道が全開になり、水分が直接肺に入る危険があります。
- 後ろから頭を押し上げる: 頸椎を痛めるだけでなく、強い拒否感に繋がります。
3. 道具の工夫と多職種連携
- カットワークコップ: 鼻に当たる部分が欠けたコップなら、頭を反らさずに水分が飲めます。
- とろみ調整: 首が下がると嚥下反射が遅れやすいため、適切なとろみで通過速度をコントロールします。
- チームでの標準化: ベストな角度やクッションの位置を写真で記録し、「誰が介助しても安全な設定」を共有しましょう。