介護 2024.12.02

介護報酬の仕組みとは?算定基準や計算方法などをわかりやすく解説

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介護報酬とは、介護事業者が利用者に介護サービスを提供した場合に、その対価として市町村から支給されるサービス費用のことです。介護報酬は単位と呼ばれる基本的な費用に加算・減算がされて算出され、3年ごとに改定されています。

この記事では、介護報酬の仕組みや算定基準、計算方法などをわかりやすく解説します。介護報酬の仕組みについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

介護報酬はどこから支給される?

介護報酬の仕組みを図で表すと、以下のようになります。

介護報酬の仕組み

図のとおり、被保険者である利用者が介護サービスを利用することで、保険者である市町村から介護事業者へ介護報酬が支給されます。介護報酬はサービスごとに設定されており、各サービスの基本的な費用に加えて、それぞれの介護事業所のサービス提供体制や、利用者の状況等に応じて、加算や減算がされる仕組みです。

参考: 介護報酬について|厚生労働省

なお介護報酬の財源に関しては、以下の割合になっています。

  • 保険料: 50%(介護保険の第1号と第2号保険者から徴収)
  • 公費: 50%(国・都道府県・市町村から給付)

介護報酬の基本事項なので、しっかりと頭に入れておきましょう。

介護報酬に使われる単位とは?

介護報酬はサービスごとに金額設定されているわけではなく「単位」と言われる介護報酬特有の表示形式になっています。

単位は、以下のような項目をもとに点数が決まります。

  • 地域区分
  • サービスの人件費割合
  • 介護度など

さらに、単位に対して単価を掛け合わせることで介護報酬の金額が決まり、単価は1単位=10円が基本です。

計算式にすると「単位の数×単価=介護報酬」となります。

なお介護報酬を単位で換算するのは、物価や人件費など地域ごとの格差を埋めるためで、地域に関係なく一律の料金設定にすると、不平等な状況が生まれるでしょう。物価や人件費が高いと、その分単価も上がる仕組みになっており、地域ごとの格差を可能な限り公平に保っています。

介護報酬の算定構造は?

介護報酬の算定構造は介護保険サービスの種類ごとに、厚生労働省によって設定されています。

たとえば、訪問介護の身体介助サービスを30分以上1時間未満で利用した場合は、396単位で、訪問入浴介護サービスを1回利用すると、1,260単位が算出される仕組みです。

参考: 介護報酬の算定構造|厚生労働省

また先述のとおり、同じ介護サービス内でも、時間や要介護度、提供サービスなどによって算定される単位は異なります。

まずは、介護職である自分が提供している介護サービスの単位を知ることで、利用者への提供価値をより具体的にイメージできるでしょう。

介護報酬の計算方法は?

介護報酬の計算方法について、以下のことを理解することが必要です。

  • 単位と地域区分
  • 介護サービスの自己負担限度額

単位と地域区分がわかれば、サービスごとの介護報酬を確認できます。また、要介護度別に設定された介護サービスの自己負担限度額を知ることで、1割負担で利用できるサービスの量が把握可能です。

一つずつ理解しながら、実際に介護報酬を計算してみましょう。

単位と地域区分を理解しよう

介護報酬は基本1単位=10円ですが、サービスを利用する地域やサービスの種類によって異なります。

サービス提供の地域については、以下の図のように1〜7級地とその他の地域の全8区分にわかれており、それぞれに1単位=10円に対する上乗せ割合が設定されています。

地域区分

たとえば、東京都の場合は1級地に該当するので、1単位=10円×1.2倍=12円となります。逆に、北海道の場合は7級地に該当するので、1単位=10円×0.8倍=8円となります。

サービスの種類については、以下の表のように人件費割合によって単価が変わります。

サービスの種類 人件費割合 単価
訪問介護 90% 1単位=10円×1.1倍=11円
訪問入浴介護 80% 1単位=10円×1.0倍=10円
通所介護 70% 1単位=10円×0.9倍=9円
居宅介護支援 60% 1単位=10円×0.8倍=8円
介護予防通所介護 50% 1単位=10円×0.7倍=7円

人件費割合とは、サービスの費用のうち、人件費が占める割合のことです。人件費が高いサービスほど、単価も高くなります。

これらの単位と地域区分、人件費割合を考慮して、サービスごとの介護報酬を計算することができます。

介護サービスの自己負担限度額を理解しよう

介護サービスの自己負担限度額とは、利用者が1ヶ月間に支払う自己負担額の上限のことです。自己負担限度額は、要介護度や所得によって異なります。

自己負担限度額は、以下の表のようになっています。

要介護度 所得区分 自己負担限度額
要介護1 A 8,000円
要介護1 B 16,000円
要介護1 C 24,000円
要介護2 A 10,000円
要介護2 B 20,000円
要介護2 C 30,000円
要介護3 A 12,000円
要介護3 B 24,000円
要介護3 C 36,000円
要介護4 A 14,000円
要介護4 B 28,000円
要介護4 C 42,000円
要介護5 A 16,000円
要介護5 B 32,000円
要介護5 C 48,000円

所得区分は、以下のように決まります。

  • A:年間所得が180万円以下の方
  • B:年間所得が180万円超〜360万円以下の方
  • C:年間所得が360万円超の方

自己負担限度額を超えた分は、市町村から高額介護サービス費として支給されます。ただし、高額介護サービス費の支給には申請が必要です。

参考: 高額介護サービス費|厚生労働省

自己負担限度額を知ることで、利用者は自分の負担額を把握できるだけでなく、必要なサービスを適切に利用できるようになります。

まとめ

この記事では、介護報酬の仕組みや算定基準、計算方法などをわかりやすく解説しました。介護報酬は、以下のポイントを押さえることが大切です。

  • 介護報酬は、介護事業者が利用者に介護サービスを提供した場合に、その対価として市町村から支給されるサービス費用のことです。
  • 介護報酬は単位と呼ばれる基本的な費用に加算・減算がされて算出され、3年ごとに改定されています。
  • 介護報酬は単位で換算するのは、物価や人件費など地域ごとの格差を埋めるためです。
  • 介護報酬はサービスごとに金額設定されているわけではなく「単位」と言われる介護報酬特有の表示形式になっています。
  • 単位は、地域区分やサービスの人件費割合などによって点数が決まります。
  • 単位に対して単価を掛け合わせることで介護報酬の金額が決まり、単価は1単位=10円が基本です。
  • 介護サービスの自己負担限度額とは、利用者が1ヶ月間に支払う自己負担額の上限のことです。自己負担限度額は、要介護度や所得によって異なります。

介護報酬の仕組みについて理解することで、介護職としての自分の仕事の価値や、利用者のニーズに応えるための介護サービスの提供方法や内容を適切に選択できるようになります。

介護報酬の仕組みは、介護職にとっても利用者にとっても重要な知識です。この記事を参考にして、介護報酬について理解を深めてください。

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