【認知症:症状05】
異食を防ぐ・備える安全管理のポイント
認知症の異食は、空腹だけでなく、物が何か判別できない「失認」や、口に入れて確認しようとする「口唇傾向」が原因です。叱るのではなく、未然に防ぐ仕組みが必要です。
1. 異食が起きる主な原因
① 視覚的な「失認」
石鹸を和菓子、洗剤をジュースだと思ったりします。本人は「美味しいものを食べよう」という前向きな意図で動いています。
② 手持ち無沙汰・不安
することがなく不安な時、近くにあるティッシュなどを無意識に口へ運んでしまうことがあります。
2. 未然防止の3か条
【1】危険物の徹底管理
電池、薬、洗剤は鍵付きの棚へ。特に「食品に似た形状のもの」(果物そっくりの芳香剤など)はフロアに置かないのが鉄則です。
【2】代替品の提供
「口寂しさ」が原因なら、安全に噛めるもの(おしゃぶり等)や、手元を忙しくさせる「認知症マフ」の活用が有効です。
【3】ゴミ箱の形状見直し
ゴミ箱の中身を拾ってしまう場合、蓋付きのものに変えるか、視界に入らない位置へ移動させます。
3. もし口に入れてしまったら?
無理に取り出そうとすると、驚いて飲み込んだり、噛みつかれたりする恐れがあります。
プロの「交換」テクニック
「出しなさい!」ではなく、「あ、ここに美味しいお菓子がありますよ、交換しましょう」と、より魅力的なものを差し出し、自ら口を開けてもらうのが安全です。
4. 事故後の対応フロー
- 何を、いつ、どれくらい飲み込んだか確認(洗剤なら成分表をチェック)。
- 顔色や呼吸、意識状態に変化はないか観察。
- 中毒症状や嘔吐、腹痛の有無を即座に共有。
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